防災科学教室

 令和2年9月18日(金)、小学部4〜6年生を対象に「防災科学教室」が開催されました。今年度は、予定されていた一泊二日宿泊防災訓練が新型コロナウイルス感染症予防対策のため中止となりました。その際講師としてお願いしていた国立研究開発法人防災科学技術研究所客員研究員の花崎哲司(はなざき・さとし)先生をお迎えして、改めて「防災科学教室」をお願いしたものです。
 今回の防災科学教室のテーマは、「自分の感覚を使って自然と向き合い、災害から身を守る」ということでした。視覚障害のある児童にとって、視覚以外の感覚を活用しながら自分を取り巻く環境の変化に敏感に反応し、災害から身を守るという体験はとても大切なことです。
 最初に、味覚・嗅覚・聴覚を使って、さまざまなものを確かめていきました。お茶とジュースの味の違い、スギとヒノキのにおいの違い、ロウソクが燃えるときのにおい、環境音の変化など、普段よく経験するようなことでも、相応しくない場で感じられたとすればそれは何らかの変調の兆しとして注意しなければならないものになります。このような気付きの場が、「防災科学教室」でたくさん用意されていました。
 風の強い中での傘さしや歩き方、障害物のある中で白杖がないときの歩き方などもあまり経験できないことでしたので、普段以上に神経を集中して歩くことができました。そして、最も強いインパクトがあったのが洪水を想定して、障害物のある水の中を歩く体験です。アイマスクを付けた状態で、白杖を使っているとはいえ足元の状態がわからず、何があるのか全く分からない中で水中を歩くということは相当な恐怖感があったと思います。しかし実際の災害ではそういう場面に遭遇しないという保証はありません。
 これらの体験が災害時すぐに役立てられるというわけではありませんが、児童一人一人が自分の感覚を研ぎ澄まして自然の変化に敏感になるということが、危険回避の上でどれだけ大切かということは十分感じとることができたのではないかと思います。そして、一人一人が自分の身を守ることで、ひいてはまわりの児童同士お互いを守ることにもつながるのです。
 コロナ対策のため多くの学校行事が制限されているなか、今回の防災科学教室では児童は大変貴重な体験をすることができました。

(写真)洪水の中を歩いてみる (写真)風の中で傘を差してみる
(写真)においを確かめる